純国産の材料で京都の職人が仕上げた京扇子です。
扇面には柿渋(かきしぶ)を引いており独特の渋い光沢感のある扇面に同系色でさりげない紗綾形文様がポイントです。
紗綾形は卍(まんじ)つなぎの一種で,卍をななめにつらねた連続模様のことを言います。連続で連なる万字繫ぎは不断長久(ふだんちょうきゅう)を表すものとして織物や黄檗(おうばく)山万福寺の装飾などに用いられています。
◆柿渋とは
まだ青いうちに収穫した渋柿の未熟果を搾汁し発酵熟成させた抽出液で、日本で古くから染料や塗料などとして使われています。
柿渋には防虫・防腐・消臭効果があり、同時に和紙をコーティングする為、和紙の耐久度をあげ扇面を破れにくくしています。
◆京扇子とは
「京扇子」とは、扇面・扇骨・仕上げ加工すべて京都・滋賀を中心とした国内で生産した扇子の事を言います。「京扇子」の名称は京都扇子団扇商工協同組合が有し、組合員だけが使用できるものです。
◆扇子ができるまで
扇子は一本一本が手作りでできております。
でき上がるまでには、骨(竹の部分)作りから地紙づくり、絵付け、組み立てなど約88の工程があり、そのほとんどが手仕事で熟練を要するため、それぞれが分業になっており、職人さんたちが腕をふるっています。
1200年の歴史を持ち、文化や美意識を取り入れてきた京扇子は、今では現代のファッション性を兼ね備えており、日本人の暮らしに涼と彩りを添えています。