古くより高級品として取り扱われ、独特の光沢と深みのある色合いや優れた素材としての価値などから人々を魅了してきた黒檀。今回はその歴史と、黒檀を使用した重厚感と気品に溢れる白竹堂の扇子をご紹介します。

 

黒檀(こくたん)とは

黒檀は南アジアからアフリカにかけて広く分布する、カキノキ科カキノキ属に属する常緑高木の総称です。生育が極めて遅く、幹の直径が18cmになるのに200年以上の歳月を要すると言われています。その分緻密で非常に硬く重い、美しい黒色の心材(樹木の中心に近い、濃い色の部分)となります。


黒檀の歴史

黒檀の歴史は古く、紀元前3000年頃の古代エジプトで家具、彫刻、装飾品、象嵌などとして使われ始めたことが確認されています。生育が遅く、遠方から運ぶ必要があったため、当時から非常に高価な材料とされ、王族や富裕層が所有する高級品として扱われてきました。
日本には奈良時代に「万能薬」として中国経由で伝わり、後に寺院建材、仏具、家具、楽器などの高級品として貴族の間で広まります。
京都における黒檀の歴史は、室町時代に茶道が盛んになったことに深く関係し、茶室の建築材料として黒檀などの高級木材が、一般材とは区別されて専門の材木商(唐木屋)によって取引されていました。また、江戸時代には印籠や巾着など「提物(さげもの)」を帯に吊るすための留め具としても広く使われ、庶民の間でも高級な工芸品として愛好されるようになります。


黒檀の魅力

<優れた耐久性>
水に沈んでしまうほど緻密で重く、堅い木材で耐久性に富んでいます。密度が非常に高い分、乾燥に強く、虫に喰われにくいため、朽ちることがなく長年の使用に耐えます。

 <美しい光沢>
油分を含んでおり、磨けば磨くほどに独特のつややかな光沢が増します。その光沢は「木のダイヤモンド」とも称されるほどです。細かく滑らかな木目は深みのある高級感を演出します。

 <深みのある色合い>
漆黒に近い深い色合いが特徴で、重厚感があります。時折見られる細かい縞模様(縞黒檀)も魅力の一つです。経年変化で色が深まるエイジングも、愛好家に珍重されています。

使うほどに味わいが増し、丈夫だから長年愛用できる点も魅力なんやね~


黒檀を使用した扇子をご紹介

白竹堂では親骨に上質な黒檀を使用した扇子を取り扱っております。
黒檀の良さをシンプルに感じていただけるもの、彫刻や螺鈿装飾を施したものなど日本の伝統美を感じていただける品々です。ぜひお好みの扇子をお選びください。

黒檀ストーム

扇面にはジャガード織りの生地を使用し、立体感のある表情となっています。親骨の重厚感も相まって高級感の感じられるひと品で、スーツなどのビジネススタイルにもおすすめです。


親黒檀ペイズリー

扇面にはペイズリー柄が織り込まれた光沢感のあるジャガード生地を使用し、深みのある色合いが気品と存在感を引き立てています。親骨には彫り加工が施され立体感と高級感のある仕上がりに。


親黒檀60間

黒檀の親骨、緻密に彫られた仲骨に、薄手のシルク生地が美しく調和しています。
親骨を合わせ60本からなる扇骨を重ねたシックな扇子です。


螺鈿親黒檀60間 ‐ 紳士 -


美しい螺鈿装飾が目を惹くシックな親骨。仲骨にも透かし彫りが施され、親骨と仲骨合わせ60()もの扇骨を用いた繊細で上質な意匠が存在感を放ちます。

婦人用とセットでの贈り物もおすすめです。


螺鈿親黒檀60間 ‐ 婦人 -

優しい輝きを放つ螺鈿装飾と彫りを施した親骨。透け感のあるシルクの扇面と正絹を使用したタッセルアクセサリーが付き、上品で高級感溢れる逸品です。

紳士用とセットでの贈り物もおすすめです。

 

まとめ

黒檀の魅力を感じていただけましたでしょうか。
今回は重厚感があり気品漂う「黒檀」についてご紹介しました。
長い年月をかけて自然より生み出される黒檀。だからこそ耐久性に優れ、他にはない魅力を感じさせてくれるのですね。希少価値が高まる中でも、愛され続ける黒檀を使用した扇子を、ぜひお手に取ってみてくださいね。