扇子は非常に繊細な工芸品ですので、取り扱いに注意し適切に保管することが長く使う秘訣となります。

末永く愛用していただけるよう、扇子の適切な取り扱い方・保管方法をご紹介します。下記のポイントをおさえながら使ってみてくださいね。

 

開閉時の注意点

開く

開く際は「両手」が基本です。
扇子の親骨に右手をあて、反対側の親骨に左手を添えます。そして、右手の親指で扇骨をスライドさせ、ゆっくりと広げていきます。

※片手で開いたり素早く一気に広げたりしないでください

閉じる

閉じる時も「両手」が基本。
扇子の両親骨に左右の手をそれぞれ添えます。そして、扇子の折り目に沿って右手から扇骨をスライドさせるように、ゆっくりと丁寧に左手に向かって閉じていきます。

※手のひらに叩きつけて閉じたり、両手で押しつぶすように閉じたりせず、ゆっくり丁寧に閉じてください

開閉時の注意点について(動画)

こちらも参考にしてみてください

 

扇子を使う際の注意点

扇ぐとき

扇ぐときは「ゆっくり・丁寧に」を心がけてください。
速く激しく扇ぐと、破損の原因になります。近くに人がいる状況での使用も注意しましょう。

また、扇子は濡れや湿気を特に嫌いますので、雨の当たるところでの使用は厳禁です。

持ち歩くとき

扇がないときは扇子袋に入れて持ち歩くようにしてください。

バッグの中にそのまま入れると、扇面が破れたり扇骨が折れたりする恐れがあるうえに、他の持ち物に傷をつける危険性もあります。

扇子を袋に入れる際は、扇面が傷つかないよう持ち手を下にして入れることをおすすめします。

扇子袋がない場合は、ハンカチや手ぬぐいを利用するとよいでしょう。

 

 

 扇子の保管方法

3つの大切なポイント

1. 水分や湿気を避ける

水分や湿気に触れると、扇骨が変形したり扇面にカビが発生したりする恐れがあります。
水場付近に置かない・風通しの悪いところに収納しない、を心がけましょう。

2. 直射日光を避ける

長時間日光に当たると、扇面の変色や扇骨の割れにつながります。
直射日光の当たらない風通しの良い日陰に保管しましょう。

3. しめ紙やゴムで留める

しめ紙やゴムで留めて保管すると、型崩れを防ぐことができます。
付属のしめ紙・ゴムは紛失しないよう、扇子と一緒に保管してください。

 

冬場など使う機会がなくなる際は、上記3つのポイントを守りつつ、付属の桐箱や紙箱に入れて保管してください。

桐箱は、湿度が高いと膨張して空気を遮断し、逆に湿度が低いとすき間が生じて通気をしてくれます。また、防虫性が高い点も保管に適しています。

紙箱についても同様です。湿気以外にも外的な汚れや衝撃から守るために役立ちますので、きちんと箱に収納しましょう。

 

 

メンテナンス 

日々のお手入れ

扇子が濡れてしまった

万が一扇子が水分に触れてしまった際は、速やかに乾いた布でふき取り、直射日光を避けながら陰干しして乾燥させます。

扇子が汚れてしまった

扇子に汚れが付着した際は、乾いた布でやさしく拭き取ります。
乾いた布で汚れが取れない場合は、生地の扇面や扇骨に限り、ぬるま湯で少し湿らせた布を軽く当てて拭いてください。

※紙扇子や紙を含む扇面を湿らせた布で拭くのは厳禁です
※アルコールを含ませた布は使用しないでください

修理

白竹堂では、扇子を長くお使いいただけるよう修理を承っております。
修理についての詳細は、こちらのページよりご確認いただけます。

 

 

まとめ 

扇子は基本的に夏季に使う道具ですので、どうしても保管期間が長くなりがち。
使う際に注意を払っても、保管が適切にされていないと、寿命が短くなってしまいます。逆も同じく、保管方法が正しくとも、使い方が悪いとすぐに壊れてしまいます。

そんなデリケートな扇子をより美しくより長く使い続けられるように、本ページを参考に扇子にやさしい取り扱い・保管方法を心がけてみてくださいね。